日本料理 蕎麦について

古くから日本の食を支えてきた蕎麦

私達が親しんでいる麺状の蕎麦。
これは厳密には蕎麦切りと呼ばれ、その起源は15世紀から17世紀とばらつきはあるものの、比較的新しい食べ物であると言われています。
しかし蕎麦自体は遅くとも8世紀には日本でも見られるようになっており、餅のような蕎麦がきや蕎麦焼きとして食べられていたようです。

蕎麦は米や麦に比べると成長が早く、悪天候や痩せた土地でも栽培ができたため、農作物が不作の年にも強く人々の生活を支えてきた、私達にとって切り離すことが出来ない食材であるといえます。

現在の様に麺とつゆで広く食べられるようになったのは江戸時代からです。
落語の噺にもたびたび出てくるように、庶民の間では非常にポピュラーな食品となりました。
関東大震災の前までは1町に1軒そば屋があると言われたほどです。
食の多様化により、その頃よりは数が減ったものの、今でも愛され続ける日本を代表する料理の一つと言えるでしょう。

 

そばの種類

一口に蕎麦と言っても、そば粉の挽き方によって麺の種類があり、味や香りも全くことなります。

殻を取り除いた蕎麦の実は三層になっています。
これを丸ごと挽いたものを挽きぐるみ、二層目まで挽いたものを並粉、中心部のみを挽いたものを御膳粉と呼びます。
外側ほど色が濃いため、挽きぐるみは黒っぽく、御膳粉は真っ白な粉になります。

挽きぐるみで打った黒い麺を田舎そばと呼び、やや口当たりは荒いものの、歯ごたえやのどごしが非常に良く、香りや風味が非常に強いので好き嫌いが分かれる傾向もあります。
蕎麦の中最もポピュラーなのは並粉を使った生蕎麦でしょう。香りが良く、蕎麦本来の風味を味わうことが出来ると好まれています。また、栄養価がとても高いのも特徴でしょう。
最後に御膳粉を使った白い蕎麦を、高級とされることも多い更科とよびます。甘みが強く、ほのかに蕎麦の香りがする上品な味わいです。

また麺として成形するためにつなぎとして小麦粉を使いますが、江戸そばで有名なそば粉80%の二八蕎麦をはじめ、地域や店によって配分も様々です。

これまで意識せずに食べていた方はこの機会にぜひ食べ比べてみてください。

藪伊豆総本店 http://www.yabuizu-souhonten.com

江戸の蕎麦の味を守り続ける本格蕎麦「薮伊豆総本店」。
店内にお座敷があり、寄席を楽しむことも出来ます。

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