中華料理の名前には意味があります。
回鍋肉とは直訳すると鍋に帰る肉という意味。ではなぜそのような名がつけられたのでしょうか。

そのルーツは四川のお祭りにあります。
四川には古くから土地の神を祀る打牙祭という祭事があり、そこでは貢物として牛と羊、そして豚の肉を捧げられていました。

当時決して豊かではなかった庶民は肉を用意することは難しく、茹でた豚肉の塊を捧げ物としていました。
祭事の終了後には捧げ物は皆で食べるのが慣例でしたが、冷えた豚肉は食べられたものではありませんでした。
そこで薄切にして唐辛子やニンニクの芽で炒めて食べるようになり、これが回鍋肉の起源だと言われています。

一度鍋で茹でられた肉が再び平鍋にかえされ、炒められる。
これが回鍋肉というネーミングの由来になったわけですね。

四川の習慣にルーツを持ち、四川を代表する料理、回鍋肉。
日本でも親しまれている一品ですが、ぜひ本場の激辛回鍋肉も食べてみてください。